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冷え取り靴下をおススメしない理由

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講座を主催してくださる、はんださん。
小さい子どもたちの外遊び体験ができる外遊日和を主催しておられます。
先日ご自身のSNSに、このように書いてくださりました。

東洋医学を学んだ、鍼灸マッサージ師の五十嵐 いつえさん。通称いっちゃん。
初めて会った時から、只者ではない匂いがプンプンしてました。
東洋医学をやってる人って、わたしのイメージでは、怪しげで胡散臭い。
が、いっちゃんの説明は常にロジカルで、明快だ。
その上、どんな難題にも必ず「答えをだす」ことを自分に課しているので、
他人様の体を見る事を
他人様の人生を受け入れ、共になんとかすることと同義だ
と捉えている節がある。
ものすごい覚悟を感じる。
そんないっちゃんを知ってほしいと思うんだけど、
いっちゃんはプロなので、施術をお願いすると、軽く諭吉さんが飛んでいく。
そこで、いっちゃんと話して、講座を破格のお値段に抑える代わりに、
たくさんの人に来てもらう、という、プランを承諾してもらいました。
私、前から、冷えとり靴下とか、胡散臭すぎて信じてなくて、あんなものにお金を払うくらいなら、
ちゃんと「なぜ冷えるのか、そこを探して、対応した方がいいのに」と思ってました。
冷え性と言っても、その人がなぜ冷えるのか、理由は個体差があるはずなのに、同じ対応だけでなんとかなるのはおかしいだろ、と思ってて。
人類70億、1人として同じ人間はいない。それは、メンタリティのことだけではなく、身体も同じ。
なので、本当は体のケアもオーダーメイドである方が効くと思うんですね。
それよりなにより、生粋の理系思考が、冷えとり靴下を許せない。
効くわけないだろ。
だいたいなんだ、あの、悪いものが出ると穴が開くって?
じゃあその悪いものってなんなの?分析可能なの

それで、なんで穴開くの?

んなわけないじゃん。
シルクなんて脆いんだから、靴下向きじゃないんだよ。履いてたら穴開くよ、あったりまえじゃん。

……と思うわけです。
なので、今回、もともとバリバリの理系研究者でありながら東洋医学を学んだいっちゃんの、体を理解したうえで、対応を考える、というところを知ってほしくて。
講座をまずやろうと思いました。
いっちゃんを知ってください。
 

フェイスブックより

このようにご紹介いただけること、大変光栄に思います。
そしてご興味を示してくださること、大勢のお母さんに感謝しております。

からだ講座は、【からだの仕組みを理解して、自分がやりたいセルフケアを組み合わせて毎日を過ごすこと】を目標にしています。セルフケアはゴールではありません。やりたい事を支えるためにセルフケアでからだをサポートすることが、私の願いです。

からだ講座を通してオリジナルのセルフケアを作り上げてもらいます。
ですからデメリットも伝えています。良いことばかりではないし、相性もあります。
それらを理解して、自分に合った内容を自分で選んで組み合わせていくことを提唱しています。

一方、おススメしない内容にはほとんどふれません。
最大の理由は、からだ講座の目的が変わってしまうからです。
ホームページの記事でも同様です。伝えたいのは、私の考え方ややり方です。

ですが今回は、はんださんのご意見を良い機会ととらえて、冷え取り靴下を例にとって、私の判断基準や考え方をお伝えします。そして、セルフケアが本来になっている役割もお伝えします。

なお私は、自分自身が『科学的でない』手法を用いるので、
科学的でない=トンデモ という構図には賛同していません。人がラクに、そして、その人らしく生きていくには、現代科学の理解を越えた方法もからだをラクにすると思っています。ですが、だからこそ『デメリット』も見つめる必要があるはずです。

まずは冷え取り靴下とはいったい何でしょうか。そして、なぜおススメしないのでしょうか。

『冷え取り靴下』が提唱することと、私の考え

冷え取り靴下、以下のルールがあるようです

参考サイトを掲載すると先方のご商売に影響が予想されます。良いと思っている方々と争うのは本意ではありませんので、出典掲載は差し控えます。

  • 絹→綿を繰り返して重ね履きをする(綿はウールでも良いらしい)
  • 就寝時も含めて24時間着用する
  • 上半身は薄着
  • 大きい靴を履く
  • 寒いと感じたら何枚でも履く

最低枚数が5本指の2枚+普通の形の靴下2枚、合計4枚から。冷え取り専用に作られた靴下だと慣れてくると10枚は履けるそうです。

これを読んだ時の率直な感想は、賛同半分、はてな半分といったところです。
人間の皮膚と絹とが相性良いのはだれでも納得できるでしょうし、東洋医学的な健康指針は頭寒足熱です。上半身を薄く、下半身を温めるのは原則なので、異論はありません。

ですが、私は次の点で意見が異なります。

  • 「下半身=へそから下」です。靴下エリアだけを厚くする理論は、東洋医学的には極論かなと思います。
  • 24時間着用は、私が知る限りですが、からだの理屈に合いません。末端は熱を逃がす場所でもあるからです。絹や綿の熱発散機能が高くても、24時間着用は、からだの調節機能を鈍らせる気がします。
  • 足首から先の末端の筋肉は、手首から先や、首から頭同様に、からだ全体の動きの舵取りをしています。これらは、とても繊細な動きで、より大きな筋肉を動かしています。その繊細な動きを維持するには、靴は足にフィットする必要があります。空気を多く含んだ靴下では、フィット感が優先されません。
  • 足裏や指先は、設置場所の情報を正確に脳に送る必要があります。重ね履きをたくさんすれば、足が本来持つ様々な機能を鈍らせるのではないか。と考えると、からだ全体でとらえた時にはおすすめしにくい方法です。

冷え取り靴下は毒素を出す?

これも、冷え取り靴下を推奨している方々の発信から抜粋しております

  • 穴が開いた場所によって、どこが悪いかわかる
  • 毒素を出した汗が繊維を溶かして穴が開く
  • 穴が開くのはデトックスがさかんな証拠
  • 履き続けることで様々な好転反応が起きる

『穴が開いた場所によって、どこが悪いかわかる』が、こういう理屈だろうと考えられる以外は、全く理解できません。

靴下に穴は開きます。これはからだの使い方の問題です。偏った場所にのみ負荷がかかる場合は、簡単に穴が開きます。一般的には角質が固くなっていて、かかとだとひび割れもあるでしょうし、魚の目やタコもあるでしょう。
その部位を、足もモミの反射区と照らし合わせたら、どこが悪いかを伝えることはできます。なお、足ももみの反射区は、流派があります。私が知っている反射区の理解とは異なりました。

毒素、デトックスについては、私の知っているからだの知識とはつなげられません。少し意地悪ですが、この発信の根拠をさかのぼってみました。一次情報には行きつきませんでした。

私はエビデンスが最重要だとは思いません。ですが、冷え取り靴下の方々は、毒素やデトックスなどを言い切っておられるので、根拠が知りたいと思いました。

「その健康法はなぜ良いのか?」これを言い切ることって、とても難しいのです。そして、科学的なエビデンスですらも、一次情報では言い切りません。普及に努めている方々が伝言ゲームのような工程を経る中で、言い切りや断定発言に変わっていったのであれば、本来冷え取り提唱者が期待していた効果とは違う意図が広まっている危険性もあります。

『好転反応』は、非常に危険な言葉

施術後の体調不良は、出来れば避けたいと思っています。ですが正直に言えば、ゼロではありません。そして頻度も低くはありません。

「からだがしんどい」「疲れが出た」というレベルは簡単に説明がつきますが、「痛みが悪化した」「熱が出た」などは、多くが原因がわかりません。時には医療過誤や処置ミスも視野に入れて、私達は真摯に向き合う必要があるのです。(しかし、一方で施術後の体調不良の全てが、施術者側の問題と受け取られると、それもまた事実ではないと思います。ここはいつか別に書きたいと思います)

『好転反応』という言葉がなぜ危険かというと、クライアントも施術者側も立ち止まって考えるチャンスをなくす言葉だからです。

より良い技術を提供するには、たとえ結論がでなくても向き合って考える必要があります。また、クライアントも他の健康方法の方が、より適しているかもしれません。

最も怖いのは、『好転反応』という言葉を信じるあまりに体の異常にバイアスがかかることです。正常な判断が出来ない。これは命の危機を招きかねません。あるいは、かえって強力な医療処置を要するまで症状が悪化することもあるのです。

おわかりかと思いますが、冷え取り靴下を例に挙げていますが、他のどの健康法でも『好転反応』ととらえて、事態を放置しておくことは非常に危険だと思います。

好転反応という言葉は、人が命と人生を守るために備えている、違和感や不快感を打ち消しかねない言葉です。私は、セルフケアにおいてもっとも大事なのは「一人一人の感性」だと思っています。 

セルフケアは感性に頼り、同時に感性を磨きます。そうあるべきです。なので、感性を打ち消し、封じ込めるものは、どのようなものであっても、あるいはそのような誘導は、控えるべきと考えます。

すこし、まじめな話を続けました。ここで、私の靴下話なども

靴下の重ね履きは30年続けている

しもやけ対策として履き始めた

実は、私は30年近く5本指を利用しています。小学校3年生の冬からひどいしもやけになりました。特に午後から足がかゆくて、下校後はかゆみでイライラしていた記憶があります。

そのしもやけ対策の一環として、5本指の靴下を使い始めました。

最初は綿のキナリの5本指+スーパーなどで売っているスクールソックスと重ね履き。高校に進学した後は、スクールソックスが靴下屋さんの靴下に変わり、やがて5本指が靴下屋さんの絹の靴下になりました。最近は、靴下屋さんの綿を主に使用した5本指+ユニクロさんやアウトドアのメーカさんの靴下などを組み合わせています。

5本指+普通の靴下の重ね履きは、生成り色の5本指靴下があまりにもダサくて、隠すために履きました。ですが、重ね履きをすると温かく、いつの間にか重ね履きが自然になりました。

ボロボロになった靴下屋の5本指ソックス

偶然にも処分し損ねた靴下が出てきました。

これをどれくらいの期間履いていたのか、なぜこんなにボロボロになるまで履いていたのか。全く覚えていません。靴下屋の5本指ソックスは、『綿95%、ナイロン4%、ポリウレタン1%』。綿や絹100%でないと足汗で不快だったのが、最近は混合タイプでも平気です。個の靴下は丈夫です。夏場はこれオンリーです。

しもやけ にはならなくなったけど

しもやけ対策は靴下の重ね履きだけはなく、テルミーという温熱療法で足を燻製のようにいぶして(毎朝。よくクラスメイトが堪えてくれたと思う)、靴下を学校でも履き替えたりしながらいつの間にか、改善しました。

今はまったくありません。

ですが、冷え性は冷え性のままです。ボトムスや靴は常に冷やさないものを選びます。くるぶし丈のスニーカーだけで歩くとか、素足を見せたファッションとか、すごく憧れます。ぜひ生まれ変わったら試したいと思います。

では、冷え性はそのまま放っておけば良いのでしょうか

そのようには全く思っていません。冷え性は、やはり不便です。先ほど書いた通り、自分の憧れる服が着れないし、外出先の気温や空調を無意識に考えながら、服の組み合わせを考えます。体調によっては、すぐにお腹やのどに反応がでて調子を崩します。

かといって、冷え性ゼロを私のゴールにすると、私は自分の時間を全て冷え性対策に割かなければいけません。そしてそれでも、解消するかはわからない。

「冷え性を抱えていても、快適に過ごせることをゴールにする。」これがセルフケアの秘訣でもあり、結果として冷え性を改善できる方法だと今は考えています。※今後の体験で変わる可能性はあります。

セルフケアに一番邪魔なもの【頑張る】

以前、精神症状で悩んでいたクライアントに伝えた文章に、冷えに関する記述を見つけました。

からだが冷えると物事を悪い方へ考えやすくなります。トラウマ解消や頑張ろうとする意識を緩めるためにも、冷えの改善は有効だと考えました

クライアントへ送った文章より

からだの仕組みを考え続けた結果、冷え性の最大の原因は、からだの緊張が緩みにくいことだと考えています。

からだは緊張する時間も必要です。それ以上に、リラックスする時間が必要です。その切り替えスイッチが鈍くなると、からだはどれだけ意識してもリラックスできません。私も、常に緊張していますから当事者なので、偉そうには言えない。

からだを緊張から解放する。冷え性に限らず、からだに備わった回復力(自然治癒力)を活かすには、私たちは「頑張る」セルフケアは不要です。

もちろん、言葉のあやがあります。クライアントが乗り気でなくても、効果を期待して伝えることも多々あります。ですが「本当はやりたくない」ものは、結局は効果を引き出せません。

緊張から解放するには、「からだの感性」を信じる力が必要になります。実は日本人の多くが、この感性を磨いていません。自分の気持ちよりも、するべきことを優先してきた結果、「自分がどうしたいか」という判断も鈍っています。

上の方で『 セルフケアにおいてもっとも大事なのは「一人一人の感性」だと思っています。 セルフケアは感性に頼り、同時に感性を磨きます。そうあるべきです 』と書きました。セルフケアは、からだを快適な状態に導きながら、感性も育てる。だから、心が軽くなる。

そう思って、からだ講座を作っています。そんな私がからだ講座を開催します。

2019年12月6日冷え性改善講座です。このような想いで作っています。良ければご参加ください。

五十嵐いつえ