YouTubeに「いっちゃんネル」を公開しています。今回は、お腹の緊張を緩めるマッサージを。
その細かい補足をこちらに書いてまいります。
説明が要らない方は、動画だけで大丈夫です。
一人暮らしや、家族に頼みにくい方は観るだけでOKです。
不思議なんですけど、観るだけでもお腹の緊張は緩んできます。お料理の動画を見たら「おいしそう」と思うように、「気持ちよさそう」と思ったら、それだけでも緩んできます。
セルフケアは「頑張らない」のがモットーです。だから続く。だから心も癒される。そんなセルフケアを目指していますが、理論があって初めて安心する方もおられます。そのための記事です。
何に効く・なぜ効くの?
効能
- お腹の調子が悪い
- 下痢・便秘が続いている
- お腹が冷えている
- 風邪を引きやすい
- 過敏性腸症候群
- 生理痛、月経前症候群
- 呼吸が浅い
- イライラする
- 自律神経が乱れやすい
- 疲れが抜けない・すごく疲れている
- 元気がない・体力に自信がない
- 緊張が続いている
- 不安感が強い
- せっかち・落ち着きがない
なぜ効くの
少し話が長くなります。
効能がたくさんあり過ぎて、「本当に効くの?」と思いますよね。
東洋医学では、「腹診」と言って、お腹でからだ全体の状態を把握する技術があります。その状態から体調や臓器の不調などを推測できます。固さや冷たさなどで様々な情報を教えてくれます。
お腹の固さは、体調と密接に関係します。お腹が緩むと自律神経が整います。その変化が全身にいきわたるので、色んな不調が整います。
ですが「治った」とは少し違います。からだに備わった「回復力」が復活して、その結果勝手に整っていくというのが、より正確な表現です。つまり、不調の根っこを整えます。
自覚している症状を整える事を「標治(ひょうち)」と言うのに対して、このような整え方を「本治(ほんち)」と言います。東洋医学は「標本同治(ひょうほんどうち)」が目標です。上に書いたように効能がたくさん書けるのは、その根っこを整える方法として、提案しているからです。
さわり方
正しいさわり方よりも大事なこと
少し話が逸れますが、学生時代の按摩指圧の実技の先生は、さわり方を「風まかせ」と言っておられました。当時は「先生って、適当だな」と思っていましたが、今はあながち間違っていないと思っています。
人にふれる時は、ある程度のルール以外は、その場の流れを大事にした方が、より効きます。ふれる側の心身の状態もまた、効き方を大きく変えます。なので、ある程度を押さえたらあとは風まかせ。
その中で出てくる形が「味」と「互いの信頼関係」を作ります。動画は実際の治療現場での手より丁寧ですが、それでもこの程度だと参考にされてください。
臍の右下から時計回り
始める位置はあまり細かく考えなくてもよいのですが、右回りでお臍の右下からがおススメです。
時計回りでさわりますが、気にしすぎるとお臍の周りを忘れてやすいので、時計回りにまんべんなく。ここはぜひ動画で確認してください。
じっくり、押し込まず
マッサージ全般に言えるのですが、強い刺激は意外と不快です。特におなかは柔らかいのが健やかな状態です。緩めようと刺激を強めると、かえって反発が起きてますます固くなります。
じっくり、押し込まず。固さが変化したら、相手に合わせて少し圧を加えてもOK.でもじっくり押し込まない。
わからない時は「手のひら全体でさわる」。これだけでも十分です。
腸は結構上まである
腸は大腸と小腸を合わせて言いますが、大腸は脇腹や肋骨近くまであります。なので、思っているよりも上までが「お腹」です。
注意:「治そう」としない
長年色んなからだにふれて痛感しているのは、マッサージがコミュニケーションツールだということです。自分の想いや感覚を相手に無意識に伝えます。
この記事には効能を書きましたが、もし「うちの夫の症状が当たはまる。治そう」とか、「家族の不調を変えたい」と思ってさわることはおススメしません。その理由は、「効かなかった」時、その時間と想いが報われないと感じて、せっかくのお気持ちを傷つけてしまうからです。
治そうとしない。からだに備わった「回復力」が復活して、その結果勝手に整っていく手伝いと思ってふれてみましょう。
おうちマッサージのもう一つの効能
ですが効かせることもできます。「相手を理解するツール」として使うことで、回復力を引き出せるからです。
「ああ、ここが固いのね」「これは、気持ちいい?」と、固さ・冷たさ(熱さ)・気持ち良さ(気持ちよくないかを確認するツールにします。
このやり方が良いのは、マッサージをコミュニケーションとして使えることです。特に家族は、互いの理解や適度な距離を常にアップデートした方が、心地よい関係を作れます。
「その人の行い」に言いたいことがたくさんあっても、それを一度棚に上げて、からだの状態を会話の中心にする。すると、からだが変化するだけでなく、関係性も変化します。
※難しい時は、無言でもOKです。治そうと頑張らないって、そういうことです。
セルフケアいろいろ
お腹の緊張は、簡単に言うと交感神経が緊張している状態です。そのため、次の方法も有効です。一人で家にいる。人に頼みにくい。そんな時は、以下の方法からやれることをお試しください。
- 深い呼吸
- 冷たすぎる・熱すぎる食べ物や飲み物を減らす
- よく噛む
- 入浴はじっくり(全身浴がおススメ)
- 寝る前に、お腹に湯たんぽ
- お灸をするならおヘソ周りか、手の三角形、足の三角形に
三角形の位置は、このサイトで検索できます。